無名公立高の快進撃 がばい旋風 甲子園の魔物

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 みんなは覚えてるだろうか?まったく無名の佐賀北(佐賀)が強豪の広陵(広島)を下して日本一になった奇跡の瞬間を。それも、劇的な逆転満塁ホームランで甲子園のヒーロー優勝チームになった事を。

 

 佐賀北高校野球部とは??

  2007年に7年ぶり2度目の甲子園出場を果たした。野球部とサッカー部兼用のグラウンドでナイター設備はなく練習ができるのは夏で19時半まで、冬はもっと少ない時間で練習を行なっている。

 選手たちは「まずは一回勝って校歌が歌えるように」というのを目標にしていた。

 

 

甲子園に歴史を刻む

 佐賀北高校はくじ運に恵まれていた。3戦までは、福井商宇治山田商、前橋商、公立校が相手だったからだ。4回戦は優勝候補の帝京高校で、全国レベルの強豪校の代表格だった。全国制覇3回の実績を持つ。それとは逆に、九州でもっとも少ない参加校数41校の佐賀県代表の公立校。データを突き合わせる限り、帝京優勢というのが大方の予想だった。しかし、試合が始まると堅実な守備と強靭なスタミナで延長戦を戦い抜きとどめを刺した。もぉ、ここまで来たら佐賀北高校の快進撃は止まらず(がばい旋風)と言われるようになった。

 

 勝戦では、佐賀北高校は序盤に2点を奪われ、今大会無失点であったエース久保も点を奪われる厳しい状態。打線の方でも、広陵高校のエース野村に対して6回までわずか1安打と苦しい展開。しかし、8回の裏佐賀北高校の攻撃で奇跡のドラマが幕を開けようとしていた。まず先頭の久保がレフト前ヒット、代打の新川がライト前ヒット。すると、会場の雰囲気がガラッと変わり、球場の声援が佐賀北高校に向けられる。すると、1番の辻がフォアボールを選ぶ。この時、エース野村がボールを投げると拍手、ストライクを投げると拍手は止まり静まり返る。そういう状況が実際に起こっていたのだ。チームの勢いだけではなく、観客までも味方につける。これこそ(がばい旋風)と言われる理由ではないだろうか。そして、2番井手はストライクかと思われたが、しっかりとボールを見極め押し出しのフォアボールを選ぶ。そして甲子園球場を味方につけた佐賀北高校についに奇跡が起きる。3番副島がバッターボックスに入る。すると真ん中に入ってきたカーブをレフトスタンドに放物線を描きながら叩き込んだ。

 

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 このシーンは今でも鮮明に覚えている人は多いのではないだろうか。そして、9回の広陵高校の攻撃でエース野村を三振に取りゲームセット。甲子園決勝で、満塁逆転ホームランは初であり、甲子園の歴史に1ページを刻んだ。

 

 2019年佐賀北高校は2007年の甲子園優勝投手である久保選手が監督として甲子園出場を果たしたが、一回戦で神村学園に敗退した。また、(がばい旋風)を観れる時はあるのだろうか。